アンケートの“取り上げてほしい曲”にお寄せいただいた曲について(2003秋のコンサート)
【お断り】以下の文章はWeb管理者が個人的に読み物として書き下ろしたもので、品川区民管弦楽団の総意によるものではなく、今後のプログラミングについてなんらお約束をするものではございません。その点をご了承の上、お読みください。
ショスタコーヴィチ
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番
当団は40年以上の歴史を持っておりますが、ショスタコーヴィチを取り上げたことはありませんでした。2004年の春は初めてショスタコーヴィチに挑戦します。(難しいです...)どうなりますかお楽しみに。他に、めぼしい作曲家で取り上げたことのない人としては、ブルックナー、リヒャルト・シュトラウスなどがあります。
グリーグ
グリーグといえば、ペールギュントで有名ですが、他のオーケストラ曲で主要な曲といいますと、ピアノ協奏曲、ホルベアの時代から、2つの悲しい旋律、十字軍の兵士シグール、ぐらいでしょうか。親しみやすいプログラムをくむ場合、ペールギュントを取り上げる可能性はあると思います。あとアンコールとか...
チャイコフスキー(3件)
チャイコフスキー 交響曲第1番“冬の日の幻想”
チャイコフスキー くるみ割り人形(3件)
チャイコフスキー 花のワルツ
チャイコフスキーの人気は根強いものがあります。シンフォニーもときおり取り上げておりますし、花のワルツも2002年秋の40周年記念コンサートで取り上げました。交響曲の第1番は1987年に1度とりあげておりますが、団員からも再演したい、との声があり、実は2004年春のプログラミングではショスタコーヴィチとともに最終候補まで残りました。近いうちに取り上げるかもしれません。他の交響曲では、5番、6番は団員にも人気があり数多く取り上げて参りましたが、4番は敬遠されております。最後まで候補に残ったりはするんですけど、最後の最後で嫌われています。
ブラームス(2件)
ブラームス 交響曲第1番
ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
ブラームスも団員に人気のある作曲家です。交響曲第1番は1994年、ハイドンバリエーションは1999年にとりあげております。1番の方は取り上げてから十年になりますので、再演の機運も熟しているといえましょう。
ハイドン
ハイドンの交響曲
モーツァルト
モーツァルト 交響曲第38番“プラハ”
モーツァルト 交響曲第40番
ハイドン、モーツァルトは親しみやすい作曲家ではありますが、演奏する側からすると大変難しいものがあります。オーケストラの実力を上げるにはチャレンジした方がよいのですが....あと、出演できる管楽器が非常に限定されるのも取り組みにくい一因となっております。(例えば、プラハはクラリネットがありません。モーツァルトの40番はティンパニがありません。版によってはクラリネットもありません。どの曲もトロンボーン以下の金管は絶望的です。)ハイドンは1994年に99番の交響曲、モーツァルトは1997年にハフナー、魔笛の序曲を取り上げております。
ストラヴィンスキー
ストラヴィンスキー 火の鳥
ストラヴィンスキーは1993年に一度だけ“火の鳥”をやりました。そのときに痛い思いをした団員が結構いたらしく、一種のトラウマになっているとかいないとか(未確認情報)。“火の鳥”はたまに再演の案がでますが、機が熟すまでにはもうちょっとかかるかもしれません。他のバレエ3部作ですが、私の知る限りではペトルーシュカは2度ほど候補として検討されたことがあります。春の祭典は難易度以前に人数が足りない、きゅりあんの舞台に載らない、という問題があり、物理的に不可能という判断をされているようです。
ボロディン
ロシアの5人組の中ではムソルグスキーとともに評価の高いボロディンですが、オーケストラ曲は大変少ないのが現実です。イーゴリ公の序曲(2004年春にとりあげます。)とダッタン人の踊り(最近は“ポロヴェツ人の踊り”というそうです。2002年の秋に取り上げました。)、中央アジアの草原にて、交響曲の2番、3番ぐらいでしょうか?“中央アジア...”はたまに候補になりますが、(珍しいことなのですが)技術的に物足りないという理由で敬遠されます。あとは交響曲ですか...
スメタナ
スメタナ 我が祖国
スメタナ モルダウ
スメタナといえば、“我が祖国”と“売られた花嫁”ですね。人気のあるモルダウですが、木管楽器がとっても難しいので尻込みしているのが現実です。叱咤をお願いします。私個人の好みでいえば、ヴィシェフラード(高い城/“我が祖国”1曲目)なども興味があるのですが、他の団員はてんで相手にしてくれません....
ベートーヴェン 交響曲第5番
ベートーヴェン 交響曲第9番
なんだかんだいってもベートーヴェンは偉大なので、いままで数多く取り上げました。取り上げた回数は42回(2003年の時点)で1番多い作曲家です。(ちなみに2番はモーツァルトで33回、3番はチャイコフスキーで26回。)とはいえ、やったことのない交響曲が2曲あります。2番と4番です。5番は1999年に9番は1989年に取り上げております。第九をやるにはやはり相応の覚悟がいります....
ホルスト 惑星
ホルストという作曲家は、同世代のイギリスの作曲家エルガーやヴォーン=ウィリアムスと比較して、能力的に見劣りすると評価されていますが、なんで“惑星”のような人気曲を書くことができたのでしょう?音楽史上に残る怪作の一つで興味津々ですが、編成が大きく、変な楽器も必要だったりするので、取り上げるのは難しそうです。
マーラー 交響曲第2番“復活”
マーラーの交響曲は1992年に1番、1998年に5番を取り上げました。私も5番を演奏しましたが、難しかったです。でも燃え尽きることができ充実感は残りました。このときのマラ5の演奏経験は、一種の自信として当団の財産になったと思っております。他の交響曲ですが、合唱の入る2、3、8番あたりは、きゅりあんの舞台には到底載りませぬ。オーケストラだけでもかなり大きいので無理かもしれません。反響板をやめるか、客席の前をつぶして舞台を仮設するか...残念ながら尋常な手段では無理です。6、7、9番についても長い、大きい、難しい、と3拍子揃っておりますので、かなり難しいと思います。個人的に可能性が多少はあると思うのが、4番、未完に終わった10番のアダージョ、大地の歌です。4番、大地の歌は独唱者が必要となりますが、いい機会に恵まれれば可能性があると思います。アダージョは打楽器が無いのが引っかかりますが、他の楽器編成には問題はないと思います。もちろん、技量的にはどれもチャレンジングな曲であることはいうまでもありません。
イッポリトフ=イワノフ コーカサスの風景
なんといいますか...演奏機会を見つけることのむずかしい曲と思います。(これ以上のコメントはご容赦を。)
シベリウス フィンランディア
2003年秋はオールシベリウスプロで、珍しい6番のシンフォニーを演奏しました。1996年に交響曲第2番を取り上げましたがこれはあまり良い出来ではなく、一部の団員にトラウマが残ったようですが、今回のオールシベリウスでやっとそれを克服できた観があります。演奏記録をみると、フィンランディア、カレリア、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第2番の4曲を複数回取り上げています。なかでもフィンランディアは4回と多く取り上げてきましたが、近年の演奏は1993年になります。なにせ、オールシベリウスをやったばかりですので、しばらくはとりあげないかもしれません。
シューベルト 交響曲第9(8)番“グレート”
団員にもファンがいて時々候補になりますが、長い、反復が多い、(→退屈するのでは?)という危惧から取り上げるにはいたっていません。尋常な曲ではないことは確かなのですが、オーラを放つ演奏ができないとてんでさまにならないかもしれません。
ヘンデル メサイア
前述しましたとおり、きゅりあんは舞台が狭いので合唱がはいると苦労します。また当団は近代的な編成のオーケストラですから、バロック以前の曲を取り上げるのは編成上難しいものがあります。ヘンデル、バッハ、コレルリ、ヴィヴァルディなどはやりたくともなかなかできません。(後年の作曲家の手になる編曲ものが存在する曲もあり、それは不可能ではありません。ただし、技術的に可能かどうかは別問題です。)
ドヴォルザーク 交響曲第9番“新世界より”
過去4回取り上げておりますが、一番最近は1994年です。お客様からリクエストの多い曲の一つですね。ドヴォルザークの他の交響曲は7番を1回、8番を2回取り上げております。7番をそろそろ取り上げたい、と画策している団員もいるようです。
ラヴェル ボレロ
これも人気の曲ですが、実は団員には(興味はあるようですが)もう一つ人気がありません。その理由は想像に難くないと思いますので説明いたしませんが、団員だけではまかないきれない変な楽器がいくつかあるのも障害になっております。お客様にはきっと喜んでいただけると思いますので、なんとかならないかと思います。ラヴェルは今までに“なき王女のためのパヴァーヌ”、“古風なメヌエット”をとりあげております。また候補としては“ラ・ヴァルス”がときどき名前があがります。
ビゼー カルメン
ヴェルディ ナブッコ
プッチーニ トスカ
ワーグナー トリスタンとイゾルテ
オペラを演奏会形式でもいいからやりたい!という気がしないでもありませんが、舞台を作らなくともむちゃくちゃお金がかかります。歌手のギャラは器楽のソリストよりも相場が高いのです。それも何人も用意するとなると...どうにもなりません。もちろんアマチュアの同好の士を募り、知恵をしぼればできるという話もときおり聞きますが、相当なエネルギーが必要でしょう。カルメンは抜粋の形で何回か取り上げたことがあります。ナブッコの有名な“黄金の翼にのって”は品川音楽文化協会の「春をまつ歌の祭典」で演奏しました。“トリスタンとイゾルデ”からは2002年に“前奏曲と愛の死”をやりました。また、何人かの若手歌手を招聘して、ガラコンサートを1994年におこなっております。団内に「ガラコンをやろう」という陰謀もあるようですので、近いうちにまたガラをやるかもしれません。
ピアノ協奏曲(2件)
グリーグ ピアノ協奏曲
シューマン ピアノ協奏曲
ラフマニノフ ピアノ協奏曲
ブラームス ピアノ協奏曲
ピアノ協奏曲は過去に7回とりあげています。意外と少ないですね。最近では1999年にラフマニノフの2番をやっています。グリーグは取り上げたことがありますが、シューマン、ブラームス(1、2番とも)はやったことがありません。協奏曲はソリストと相談の上曲目が決まりますので、“ご縁”がないとなかなか取り上げられません。
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲(2件)
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲(2件)
ブルッフ ヴァイオリン協奏曲
サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲
ブラームス ヴァイオリン協奏曲
ピアノ協奏曲よりはヴァイオリンの方が演奏機会は多いようです。10回ほどやっております。サン=サーンス(3番のことと思います)、ブラームスは演奏したことはありませんが、ヴァイオリン協奏曲を検討するときはどちらも候補として挙がりますので、可能性はあるかと思います。
ドヴォルザーク チェロ協奏曲
つぎのコンチェルトはドボコン、といわれ続けてるのですが、、、
ホルン協奏曲
ホルン協奏曲といえば、モーツァルト(4曲)とリヒャルト・シュトラウス(2曲)でしょうか。珍しいところではシューマンの“4本のホルンのためのコンツェルトシュトゥック”とか。記録によれば、モーツァルトの3番を2回演奏したことがあるようです。当団の管楽器の協奏曲における最大のトピックといえば、なんといっても1997年のヴォルフガング・シュルツ先生(ウィーンフィル首席フルート奏者)との共演(ライネッケ フルート協奏曲)にとどめをさします。
四季
“四季”といえばヴィヴァルディの“四季”のことでしょうが、ハイドン、グラズノフにも同名の曲がございます。特にハイドンはオラトリオ風の大規模な曲ですがすばらしい傑作です。さてヴィヴァルディですが、この曲は弦楽器しかありませんので、当団ではなかなか演奏機会がありません。とはいえ、1960〜70年代には3回ほど部分的に取り上げているようです。
カノン
これは有名なパッヘルベルのカノンのことでしょうか?ヴァイオリン3部と通奏低音という変則的な編成ですので、普通のコンサートでは演奏が難しいです。親しみやすい曲を集めたプログラムやアンコールなどでは実現の可能性があるかもしれません。
円舞曲
ワルツといえばまず思い浮かぶのがヨハン・シュトラウスですね。近年では1995秋“春の声”、1997歌の祭典“美しく青きドナウ”を取り上げております。他にワルツといえば見落とせないのはチャイコフスキーでしょうか?花のワルツや“眠りの森の美女”のワルツなどを手がけました。
ポロネーズ6番
さて、、、あいにく、ポロネーズ第6番なるオーケストラ作品は存じ上げません。これはショパンのピアノ曲でしょうか?とすると“英雄ポロネーズ”ですね?これのオーケストラ編曲があるという話も聞いたことはございません。(注:ストコフスキーによる編曲版が存在するという情報をいただきました。みずはた様、ありがとうございました。)原曲がピアノ曲でオーケストラに編曲(オーケストレーション)してさらに成功した、という事例はいくつかあります。ラヴェルの多くの管弦楽曲はそうですし、ブラームスのハンガリー舞曲もそれに該当するでしょう。ショパンではグラズノフが編曲して仕立てたバレエ曲“レ・シルフィード”ぐらいでしょうか?この中にはポロネーズは、、、無いようですね。ポロネーズとしてはチャイコフスキーの“エフゲニー・オネーギン”のポロネーズをアンコールで演奏したことがあります。
子供が好きそうな曲
難しい命題ですね。私の子供は幼稚園に通っておりますが、「お母さんといっしょ」で流れる歌や、スタジオジブリ作品のテーマソングなどは好きのようです。あとテレビアニメの主題歌とか、女の子だったらディズニーの音楽なども興味があるでしょう。この手の曲はオケの譜面が無いことが多いばかりか、編曲するにも権利者の許諾が必要で、相応のお金を払わなくてはいけませんので、非常に大変です。ディズニーのファンタジア2000が放映されたあとにたまたまデュカスの“魔法使いの弟子”をやりました。ファンタジア2000(あるいは旧作のファンタジア)をよく知っているお子様は画面をイメージしながら聴いてたようです。もっとも普通のクラシック音楽でも繰り返し聴かせると歌ってたりもします。息子が(確か3才ぐらいのときでした)、運命の出だしやフィナーレを歌ってたのは別段不思議に思いませんでしたが、シューマンの交響曲の4番を歌ってたのにはちょっとびっくりしました。
三大交響曲
三大交響曲って、運命、未完成、新世界、でしたっけ?この3曲の組み合わせで演奏会をやるとさすがにヘビーですねえ。個々にはときどき取り上げる機会があると思います。オーケストラにとっても、運命、未完成あたりは大変勉強になります。なお、1994年の春には“未完成”と“新世界より”という2曲からなるプログラムを組んでおります。
アメリカ人作曲家特集
ガーシュイン パリのアメリカ人
ジョン・ウィリアムス スターウォーズ
一言でアメリカの音楽といっても、歴史は浅くともさすがに大きな国なだけあって多様です。一番ポピュラーなのはガーシュイン〜バーンスタインのようなジャジーな路線でしょうが、巨匠コープランド、ニューイングランドの鬼才アイヴズ、イーストマン楽派の旗手ハンソン、他にもバーバー、ピストン、ウィリアム・シューマン、パーシケッティ、セッションズ、ロイ・ハリス、、、キリがありません。候補として検討された曲としては、バーンスタインのキャンディード序曲やウェストサイド物語のシンフォニックダンスなどがあります。シンフォニックダンスなどはドラムセットが必要で、それが障害になったりしてます。また、スターウォーズを演奏するにはお金がずいぶんかかると聞いたことがあります。(注:演奏した経験のある団員から、それほどお金がかかるわけではない、との情報がありました。)実のところ、アメリカンプログラムというのは企画としては興味をそそられるので、何回か検討した事があるのですが、結果的には中心に据える曲が限られ、企画倒れに終わってしまっているようです。“パリのアメリカ人”は1975年に演奏したことがあります。
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