アンケートの“取り上げてほしい曲”にお寄せいただいた曲について(2004春のコンサート)
【お断り】以下の文章はWeb管理者が個人的に読み物として書き下ろしたもので、品川区民管弦楽団の総意によるものではなく、今後のプログラミングについてなんらお約束をするものではございません。その点をご了承の上、お読みください。なお、文面の一部は過去のアンケートでお答えした文を流用したものもございます。その点についてもご了承ください。
アンダーソン
1970年代までは頻繁に取り上げてたようです。楽しい曲が多いので、アンコールなどで演奏するとお客様には喜んでいただけます。(ま)
オルフ カルミナ・ブラーナ
“トリオンフィ(勝利)”3部作の1曲目で、3部作中もっとも有名な曲。(2曲目は“カトゥーリ・カルミナ”、3曲目は“アフロディーテの勝利”)これらの曲は世俗的カンタータと題されていて、声楽を伴うわけですが、どうも口に出すのも憚られるような卑俗な歌詞がついているらしい。当団のコンサートは教育委員会の主催なのですから、問題があるかもしれません。日本語じゃないんだから判らないだろう、というのはその通りなんですが....(ま)
カリンニコフ
カリンニコフは1番の交響曲が突出して演奏機会が多いようですね。享年34才の若さだったそうですから、曲数は少ないようですが、最近では結構注目をあつめているようです。残念ながら聴いたことがありませんので、今のところ判断材料がありませんが、機会を作って聴いてみたいと思います。(ま)
グリーグ 朝
グリーグ シンフォニックダンス(2件)
ペール・ギュントの“朝”は小学校のときに校内放送で流れていました。“朝”を聴くと今でもそれを思い出します。牧歌的なすてきな曲です。ペールギュントの組曲は非常に有名ですが、意外と取り上げにくいようです。曲によっては弦楽だけ、というのもありますので。シンフォニックダンスは聴いたことがありませんので、コメントできません。どうかご容赦ください。(ま)
ケテルビー ペルシャの市場
当団の草創期には2回ほど演奏した記録がのこってます。かつてはセミクラシックの代表みたいな曲でしたが、最近はどうなんでしょう?(ま)
シューベルト 交響曲
重要なレパートリーとしては5番以降でしょうか?5番の交響曲は佳曲として知られてますが悲しいかなクラリネットがないので(私にとってはこれが致命的)取り上げにくい曲です。未完成は非常にポピュラーな曲でもあり、過去何回も演奏しておりますが、ここ10年ほどは取り上げておりません。“グレート”は団員にもファンがいて時々候補になりますが、長い、反復が多い、(→退屈するのでは?)という危惧から取り上げるにはいたっていません。尋常な曲ではないことは確かなのですが、オーラを放つ演奏ができないとてんでさまにならないかもしれません。(ま)
シューマン 序曲“ジュリアス・シーザー”
シューマンには交響曲をはじめとして、十数曲ほど管弦楽曲がありますが、正直申し上げて、“ジュリアス・シーザー”を挙げていただいたのにはびっくりしました。序曲ではまず“マンフレッド”が一番で、それに次いで“ゲノヴェーヴァ”、ずっとマイナーなところで“ヘルマンとドロテア”、“メシナの花嫁”やこの曲というのが有名度の順序と認識してます。マンフレッドはときどき推薦してますが、「暗い...」と今ひとつ団員の受けがよろしくありません。次はゲノヴェーヴァを推してみようと思ってます。(ま)
ショスタコーヴィチ 祝典序曲
2004年の春のコンサートで初めてショスタコーヴィチ(交響曲第5番)に挑戦しました。お客様にもよろこんでいただけたようで、安堵しております。(ここだけの話ですが、一時はどうなることかと思いました....)祝典序曲はショスタコーヴィチがその天才ぶりを発揮してはや書きしてみせた作品だそうですが、明るく流暢な曲調には興味があります。なにかのイベントの際には取り上げてみたい一曲です。(ま)
ストラヴィンスキー 火の鳥
ストラヴィンスキー ペトルーシュカ
ストラヴィンスキーは1993年に一度だけ“火の鳥”をやりました。そのときに痛い思いをした団員が結構いたらしく、一種のトラウマになっているとかいないとか(未確認情報)。“火の鳥”はたまに再演の案がでますが、機が熟すまでにはもうちょっとかかるかもしれません。他のバレエ3部作ですが、私の知る限りではペトルーシュカは2度ほど候補として検討されたことがあります。春の祭典は難易度以前に人数が足りない、きゅりあんの舞台に載らない、という問題があり、物理的に不可能という判断をされているようです。(ま)
スメタナ モルダウ(2件)
“我が祖国”の中で最も人気のあるモルダウですが、木管楽器がとっても難しいので尻込みしているのが現実です。叱咤をお願いします。私個人の好みでいえば、ヴィシェフラード(高い城/“我が祖国”1曲目)なども興味があるのですが、他の団員はてんで相手にしてくれません....(ま)
チャイコフスキー
チャイコフスキー くるみ割り人形(2件)
チャイコフスキー 交響曲第1番“冬の日の幻想”
チャイコフスキー 交響曲第4番(2件)
チャイコフスキー 交響曲第5番(2件)
チャイコフスキー 交響曲第6番“悲愴”
チャイコフスキーの人気は根強いものがあります。シンフォニーもときおり取り上げておりますし、花のワルツも2002年秋の40周年記念コンサートで取り上げました。交響曲の第1番は1987年に1度とりあげておりますが、団員からも再演したい、との声があり、実は2004年春のプログラミングではショスタコーヴィチとともに最終候補まで残りました。近いうちに取り上げるかもしれません。他の交響曲では、5番、6番は団員にも人気があり数多く取り上げて参りましたが、4番は敬遠されております。最後まで候補に残ったりはするんですが、最後の最後で嫌われています。(ま)
ドヴォルザーク 交響曲第9番“新世界から”(6件)
過去4回取り上げておりますが、一番最近は1994年です。お客様からリクエストの多い曲の一つですね。ドヴォルザークの他の交響曲は7番を1回、8番を2回取り上げております。7番をそろそろ取り上げたい、と画策している団員もいるようです。(ま)
ドヴォルザーク 序曲“フス教徒”
ドヴォルザークの管弦楽曲としては、“謝肉祭”を取り上げたことがあります。個人的には“真昼の魔女”なぞもやってみたいと思います。“フス教徒”といえば、“聖ヴァーツラフのコラール”を使っているのが特徴と思いますが、同じコンセプトのスメタナの“ターボル”や“ブラニーク”(“我が祖国”の第5曲、第6曲)の方が取り上げられる可能性がありそうですね。(ま)
バーンスタイン
バーンスタイン ウエストサイドストーリー
バーンスタイン キャンディード序曲
あるン十年前の書籍を読むと、バーンスタインは実績はまだないが将来性のある作曲家と記述があります。今では、アメリカを代表する人気作曲家になりました。なんといっても、キャンディード序曲やウェストサイド物語が親しみやすい名曲であることが大きいでしょう。その面で、ガーシュウィンの後継者と位置づけることができます。(意外とアメリカの作曲家って生真面目な人も多いのでね。)ウェストサイドストーリーのシンフォニックダンスは何回か検討対象になりましたが、ドラムセットが必要で、それが障害になったりしてます。バースタインに限らず、アメリカンプログラムというのは企画としては興味をそそられるので、何回か検討した事があるのですが、結果的には中心に据える曲が限られ、企画倒れに終わってしまっているようです。(ま)
ハチャトゥリャン 剣の舞
ハチャトゥリャンで候補曲の常連は“ガイーヌ”でもその中の有名な“剣の舞”でもなく、“仮面舞踏会”です。“剣の舞”はシロフォン(木琴)が活躍し、そしてシロフォンは図体が大きく、固定した練習場を持たない当団としては、練習に常に準備するのが非常に負担と考えられておりました。しかし、先日、ショスタコーヴィチの交響曲をやった際、比較的コンパクトな練習用シロフォンを購入しましたので、その件は解決されたはずです。あとはやる気次第...(ま)
ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 交響曲第4番(2件)
ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
ブラームスは団員に人気のある作曲家です。交響曲第1番は1994年、ハイドンバリエーションは1999年にとりあげております。1番の方は取り上げてから十年になりますので、再演の機運も熟しているといえましょう。(ま)
ブリテン 青少年のための管弦楽入門
創立40周年の記念演奏会のときに、すんでのところで取り上げられそうになったことがあります。結局、このときはカルメンの抜粋をやったんですが。元は“オーケストラの楽器”という教育映画のために書き下ろされた曲だそうです。各楽器にまんべんなく見せ場があり、最後はフーガで壮大にしめくくるというオケの技量がいかんなく曝け出される恐ろしい曲です。ブリテンはこの曲で非常に有名ですが、本来は“戦争レクイエム”、“ピーター・グライムズ”、“春の交響曲”などオペラや声楽入りの曲で本領を発揮する作曲家です。(ま)
ブルックナー 交響曲“ダブルゼロ”
1番、0番に先立つヘ短調の交響曲ですね。当団はブルックナーをやったことが無いんです。4番、7番は最後まで残ることもあるんですが、好きな人は熱狂的に好きな反面、嫌いな人も多いんですよね。最終的になかなか選ばれないんです。ブルックナーの初期の交響曲も確かに面白いと思いますが、まず、有名なところを取り上げようということになると思います。(ま)
ベートーヴェン
ベートーヴェン 交響曲第3番“英雄”(2件)
ベートーヴェン 交響曲第5番“運命”(4件)
ベートーヴェン 交響曲第9番
なんだかんだいってもベートーヴェンは偉大なので、いままで数多く取り上げました。取り上げた回数は42回(2003年の時点)で1番多い作曲家です。(ちなみに2番はモーツァルトで33回、3番はチャイコフスキーで26回。)とはいえ、やったことのない交響曲が2曲あります。2番と4番です。5番は1999年に9番は1989年に取り上げております。第九をやるにはやはり相応の覚悟がいります。なお、今年の秋のコンサートは岩村力先生の指揮で第7番の交響曲を取り上げます。ぜひご来場ください。(ま)
ベルリオーズ 幻想交響曲
ベルリオーズ(1803-1869)は年代的には結構古い作曲家で、シューベルト(1797-1828)のちょっと年下、メンデルスゾーン(1809-1847)のちょっと年上になります。ベルリオーズの作り上げた色彩のあふれる音楽は、当時としてはさぞ仰天するようなものだったことでしょう。幻想交響曲は2002年の春のコンサートで取り上げました。打楽器やハープが非常に場所をとるので、舞台に載せられるかどうか悩ましいところでしたが、なんとかなりました。(最近は編成の大きい曲をやることが多いので、舞台設計係は白髪が一段と増えたようです。)(ま)
ホルスト 惑星
ホルストは、同世代のイギリスの作曲家エルガーやヴォーン=ウィリアムスと比較して、能力的に見劣りすると評価されていますが、なんで“惑星”のような人気曲を書くことができたのでしょう?音楽史上に残る怪作の一つで興味津々ですが、編成が大きく、変な楽器も必要だったりするので、取り上げるのは難しそうです。(ま)
ボロディン ダッタン人の踊り
ボロディン 中央アジアの草原にて
ロシアの5人組の中ではムソルグスキーとともに評価の高いボロディンですが、オーケストラ曲は大変少ないのが現実です。イーゴリ公の序曲(2004年春にとりあげます。)とダッタン人の踊り(最近は“ポロヴェツ人の踊り”というそうです。2002年の秋に取り上げました。)、中央アジアの草原にて、交響曲の2番、3番ぐらいでしょうか?“中央アジア...”はたまに候補になりますが、(珍しいことなのですが)技術的に物足りないという理由で敬遠されます。あとは交響曲ですか...(ま)
マーラー
マーラー 交響曲第1番
マーラー 交響曲第5番
マーラーの交響曲は1992年に1番、1998年に5番を取り上げました。私も5番を演奏しましたが、難しかったです。でも燃え尽きることができ充実感は残りました。このときのマラ5の演奏経験は、一種の自信として当団の財産になったと思っております。他の交響曲ですが、合唱の入る2、3、8番あたりは、きゅりあんの舞台には到底載りませぬ。オーケストラだけでもかなり大きいので無理かもしれません。反響板をやめるか、客席の前をつぶして舞台を仮設するか...残念ながら尋常な手段では無理です。6、7、9番についても長い、大きい、難しい、と3拍子揃っておりますので、かなり難しいと思います。個人的に可能性が多少はあると思うのが、4番、未完に終わった10番のアダージョ、大地の歌です。4番、大地の歌は独唱者が必要となりますが、いい機会に恵まれれば可能性があると思います。アダージョは打楽器が無いのが引っかかりますが、他の楽器編成には問題はないと思います。もちろん、技量的にはどれもチャレンジングな曲であることはいうまでもありません。(ま)
ムソルグスキー 展覧会の絵
ラヴェルのオーケストレーションで有名なこの曲は、お客様にも人気があり、候補にも何回も挙がっております。1992年に取り上げており、当時演奏したベテランの団員に聞きますと、大変難しかったそうです。(ま)
モーツァルト
モーツァルトは親しみやすい作曲家ではありますが、演奏する側からすると大変難しいものがあります。オーケストラの実力を上げるにはチャレンジした方がよいのですが....あと、出演できる管楽器が非常に限定されるのも取り組みにくい一因となっております。1997年にハフナー、魔笛の序曲を取り上げております。(ま)
ラヴェル ボレロ
これも人気の曲ですが、実は団員には(興味はあるようですが)もう一つ人気がありません。その理由は想像に難くないと思いますので説明いたしませんが、団員だけではまかないきれない変な楽器がいくつかあるのも障害になっております。お客様にはきっと喜んでいただけると思いますので、なんとかならないかと思います。ラヴェルは今までに“なき王女のためのパヴァーヌ”、“古風なメヌエット”をとりあげております。また候補としては“ラ・ヴァルス”がときどき名前があがります。(ま)
レスピーギ シバの女王ベルキス
レスピーギ ローマ三部作
ベルキスって、吹奏楽の世界ではかなり演奏機会があって、レスピーギの最高傑作だと持ち上げる人もいるみたいですね。原曲(オーケストラ版)の録音は1種類はあるようですが、残念ながら聴いたことはありません。“ローマの松”とかはやってみたいですね。(ま)
ロッシーニ ウィリアムテル序曲
とても有名な曲でありながら、アマチュアオケではあまり演奏機会に恵まれない曲です。当団でもロッシーニは10回以上演奏してますが、この曲は1回も演奏したことがありません。想像するに、チェロのソロが障害になっているのだと思います。(ま)
協奏曲(3件)
弦楽器の協奏曲
プロのオーケストラの演奏会を聴きにいくと、プログラムの中程に協奏曲を据えている場合が多くあります。また、多くの場合、協奏曲は15〜30分程度という手頃な長さに作られています。一般的な演奏会の場合、
  • 序曲(歌劇等の序曲や演奏会用序曲)
  • 協奏曲(あるいは中規模の管弦楽曲)
  • 〜〜休憩〜〜
  • 交響曲(あるいは大規模の管弦楽曲)
という3曲の構成をとるのがオーソドックスなパターンでしょう。(我々は“3曲プロ”と呼んでいます。)協奏曲を演奏する利点としては、ソリストを呼ぶことで演奏会にアクセントがつくと同時に、ソリストの集客力をあてにすることができることでしょう。しかし、良質なソリストは多忙かつギャランティが高額です。数少ないリハーサルで本番をこなすことができるプロのオーケストラならば、ソリストを呼ぶことのコストデメリットを極力抑え、メリットを引き出すことが可能でしょうが、多くの練習を重ねて本番に臨む我々のようなアマチュアには難しいマネージメントが要求されます。(ぶっちゃけていうとお金がかかるので....)いろいろ大変なのですが、ときどきはやりたいですね。(ま)
オペラ
ウェーバー 魔弾の射手
ビゼー カルメン
ワーグナー(2件)
ワーグナー ローエングリン
ワーグナー ワルキューレ
オペラを演奏会形式でもいいからやりたい!という気がしないでもありませんが、舞台を作らなくともむちゃくちゃお金がかかります。歌手のギャラは器楽のソリストよりも相場が高いのです。それも何人も用意するとなると...どうにもなりません。もちろんアマチュアの同好の士を募り、知恵をしぼればできるという話もときおり聞きますが、相当なエネルギーが必要でしょう。過去には、何人かの若手歌手を招聘して、ガラコンサート(1994年)におこなっております。団内に「ガラコンをやろう」という陰謀もあるようですので、近いうちにまたガラをやるかもしれません。ウェーバーの“魔弾の射手”序曲は過去3回演奏しています。(最近の演奏では1995年になります。)カルメンは抜粋の形で何回か取り上げたことがあります。ワーグナーは“さまよえるオランダ人”序曲(1996年)、“トリスタンとイゾルデ”の“前奏曲と愛の死”(2002年)などを最近演奏しました。そして、今年の秋のコンサートでは“ローエングリン”第1幕への前奏曲、“エルザの大聖堂への入場”、“ニュルンベルグのマイスタージンガー”の第1幕への前奏曲を取り上げます。ぜひご来場くださいませ。(ま)
ドリーブ コッペリア
バレエ音楽(2件)
バレエ音楽は、やはりロシアのものが多いですね。チャイコフスキー、ストラヴィンスキー、プロコフィエフが御三家といえるでしょうか?それから、ラヴェルの作品ですね。やはり近代バレエのレパートリーにおいて、ディアギレフの功績は絶大です。もっと時代を遡って古典的でロマンティックなものとしては、ドリーブや、アダンがあります。アダンの“ジゼル”なんか演奏会用組曲があればいいのにと思いますが、誰か作らないんでしょうか?お目にかかったことがありません。(ま)
行進曲
吹奏楽(≒軍楽隊)と比較するとオーケストラのレパートリーはあらゆるジャンルで優位(それも圧倒的な)にありますが、行進曲の場合は事情が異なります。実用音楽としての行進曲は“軍隊の進軍”か“祭典”のためのもので、前者の場合、楽団も行進できなればいけません。歩きながら演奏するという伝統を持たない弦楽器を抱えたオーケストラではマーチングをすることはありません。行進曲の父といえばスーザですが、彼の作曲した膨大な数の行進曲は彼自身のバンドのためにかかれたものです。ゆえにスーザのマーチはオーケストラのための曲ではありませんが、「星条旗よ永遠なれ」などはいくつかの管弦楽編曲版が存在します。オリジナルなオーケストラの行進曲はイギリスに佳曲がいくつか存在します。まず、エルガーの有名な“威風堂々”。コンサート用の行進曲として書かれた“威風堂々”は第5番まであります。特に有名なのは第1番、ついで第4番ですが、どの曲も気品と荘厳に満ちた傑作です。また、イギリスには国王の戴冠式のための行進曲(戴冠式用行進曲)があります。下記の曲は実用のために書かれた曲ながら、演奏会のレパートリーとしても一級の作品です。
  • エルガー “戴冠式行進曲”(ジョージ5世(1911))
  • ウォルトン “クラウン・インペリアル”(ジョージ6世(1937))
  • ウォルトン “宝珠と王杖”(エリザベス2世(1953))
それから、外せないのはヨハン・シュトラウス1世の“ラデツキー行進曲”。あとは、舞台音楽などの一部として作曲された行進曲も数多くあります。例えば、
  • ベートーヴェン “トルコ行進曲”(アテネの廃墟)
  • ベルリオーズ “ハンガリー行進曲(ラコッツィー行進曲)”(ファウストの劫罰)
  • マイアベーア “戴冠式行進曲”(預言者)
  • メンデルスゾーン “結婚行進曲”(真夏の夜の夢)
  • ワーグナー “結婚行進曲”(ローエングリン)
  • ワーグナー “ジークフリートの葬送曲”(神々の黄昏)
  • プロコフィエフ “3つのオレンジへの恋”の行進曲
  • シベリウス “間奏曲”&“行進曲風に”(カレリア組曲)
  • ジョン・ウィリアムス “帝国行進曲(ダースベーダーのテーマ)”(スターウォーズ)
などなど、、、いや、マーチっていいですねぇ。なお、カレリア組曲は昨年(2003年)に取り上げました。威風堂々第1番、ハンガリー行進曲、メンデルスゾーンの結婚行進曲はアンコールで演奏したことがあります。(ま)
ワルツ
シュトラウス 美しく青きドナウ
ワルツといえばまず思い浮かぶのがヨハン・シュトラウスですね。近年では1995秋“春の声”、1997歌の祭典“美しく青きドナウ”を取り上げております。他にワルツといえば見落とせないのはチャイコフスキーでしょうか?花のワルツや“眠りの森の美女”のワルツなどを手がけました。(ま)
シェエラザード(2件)
ラヴェルとリムスキー=コルサコフに“シェエラザード”と題する曲がありますが、これはきっとリムスキー=コルサコフでしょう。私個人としては、実はこの作曲家はあまり好きではなかったのですが、一昨年にリムスキー=コルサコフの“スペイン奇想曲”を取り上げ、大変演奏効果の挙がる曲だったのでちょっと見直しました。リムスキーのシェエラザードもいいかもしれませんね。
四季(2件)
“四季”といえばヴィヴァルディの“四季”のことでしょうが、ハイドン、グラズノフにも同名の曲がございます。特にハイドンはオラトリオ風の大規模な曲ですがすばらしい傑作です。さてヴィヴァルディですが、この曲は弦楽器しかありませんので、当団ではなかなか演奏機会がありません。とはいえ、1960〜70年代には3回ほど部分的に取り上げているようです。(ま)
天上の音楽
これには困りました。“天上の音楽”という概念(“天体の音楽”、“世界(宇宙)の調和”も関係する概念です。)はヨーロッパにはピタゴラスの時代から存在するのですが、そのものズバリの曲は特定できません。一番これに近いタイトルの曲は、ヨハン・シュトラウスのワルツ“天体の音楽”です。あと、天文学者ケプラーから題材をとったヒンデミットのオペラ“世界の調和”を再構成して書かれた同名の交響曲の第3楽章が“天体の音楽”と題されています。(ま)
邦人作曲家の曲
今までに取り上げた邦人の管弦楽作品(歌曲や合唱曲ではなく、という意味です。)は3曲になります。
  • 渡辺浦人 交響曲“野人”(1978)
  • 外山雄三 “管弦楽の為のラプソディー”(1981)
  • 石橋和巳 “J.ウィリアムズの主題によるCelebration”(1997/創立35周年記念作品)
アンコールで宇宙戦艦ヤマトを演奏して、大変に好評だった、という伝説も聞いた事があります。個人的には、伊福部昭、別宮貞夫、山田耕筰などの作品を取り上げる事ができたら、と思っています。(ま)
夜想曲第2番
これはショパンのop.9-2のノクターンでしょうか?残念ながらオーケストラの編曲は存在しないかもしれません。(ロシアの作曲家、バラキレフがショパンのピアノ曲をいくつか編曲しているようですが、この中にあるかどうか・・・・)op.32-2のノクターンでしたら、グラズノフが“レ・シルフィード”の1曲として管弦楽曲に仕上げております。(ま)
ジュビロッソ
ちょっと調べてみましたが、オーケストラ曲ではこのタイトルを持つ曲は見つかりませんでした。吹奏楽の曲にはあるようですね。(ま)
ポピュラーな曲(2件)
映画音楽(3件)
ディズニー
指輪物語(2件)
冬のソナタ
「ポピュラー」の意味するところは、次のようになるでしょうか?
  1. “運命”、“新世界”のような非常に有名なクラシック音楽。
    これらはときどき取り上げることがあると思います。
  2. アンダーソン、ケテルビー、あるいはスッペ、レハールのようなセミクラシックや洒脱なクラシック音楽。
    アンコールピースとして演奏する可能性があります。
  3. クラシックの手法を用いた映画、舞台音楽。(ジョン・ウィリアムスやミュージカルの音楽)
    作曲家自身による演奏会用作品があれば取り上げる可能性があると思いますが、有力な候補となると限られてしまうでしょう。“ウェストサイドストーリー”による“シンフォニックダンス”(バーンスタイン)ぐらいでしょうか?ウォルトンの“ヘンリー5世”やプロコフィエフの“アレクサンドル・ネフスキー”のような作品もありますが、まず検討の対象にならないと思います。
  4. いわゆる軽音楽。(ポピュラー音楽)
    半年に1回しかない演奏会ですから、我々としても十分なやりごたえのある曲をやりたいとどうしても考えます。したがってオーソドックスなプログラミングにならざるをえません。また、適切な編曲が少ないこと、版権、著作権の問題が生じることも障害になります。
(ま)
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